先のエントリーにも繫がりますが、技術バカは生き残れないと痛感した出来事がありました。

昨年末に、中国の会社からオフショア開発の用命はないかとメールがありました。とても流暢かつ丁寧な日本語で書かれたメールを読んで興味を持ち、来日の際にはお会いしたいという返事をしました。

当然のこと先方からスカイプではダメか?と返ってきたので、どんな人とも一度面談して仕事をするようにしているから、詳細を伺いたいが、ともかく話は会ってからだ、と返事をしていたところ、訪日の都合がついたので訪ねたいという連絡があり、昨日お会いしました。

オフショアということで、当然のこと価格は破格だったのですが(もちろん目を疑う価格帯であったことは言うまでもありませんが)、社長さんがずっと日本の会社で働いていて、今現在も取引先が日本の会社だけであることと、すでに多くの開発実績があること、商習慣も日本に合わせること、そしてなによりも「受託開発だからお客様のご要望に徹底的にお応えします」と力強く言うだけでなく、今何ができて何が出来ないかを正直に話してくれたことに、本心から開発の仕事で役立ちたいという思いを感じました。

私自身は、外国語はさっぱりですが、義弟が外国人だったり、外国人をインターンシップで迎えたりと、仕事の内容が極めてドメスティックな割には、感覚的にはインターナショナルなほうだと思っていますが(なんて日本語だ・・・)、それでも彼に会うまで昔中国を何度か旅行した程度の経験しかありませんけど、中国人ね・・・という偏見があったことは確かです。

でも、彼の技術力もさることながら、その熱意と正直さに私は感銘を受けました。何より久々に一緒に、この人と仕事がしたいと思いました。

いま不況と政権交代とで、なんだか日本人であるだけで高給当たり前、補助金当たり前の風潮になっていますが、常日頃から一体誰が稼いで納税した税金だと思っているんだとか、そもそも貰うことばかり、悲観することばかりでなく、もっと真剣に働いて稼ぐことを考えようよと腹に据えかねていたところに、価格以上の価値を爽やかに、かつ熱意をもって提示され大きく心を動かされました。

これをグローバル化とかそんな陳腐な言葉でまとめたくないです。彼と話をしているときに、ある意味はっきりと、ある一定の考えの日本人(子供手当をばらまこう、稼ぎがあるのに貰って嬉しいと考えているような連中)とはもう仕事をしたくない、と私は思いました。

いまSEIHAプロジェクトを進めていますが、この案件についてはパートナー企業を彼の会社にすることにしました。もしこれで成功したら、その価格帯からいって二度と日本の開発会社と仕事をすることはないでしょう。

当社は企画とビジネスで勝負し、開発コストを抑えて、高給をとってしかるべき高付加価値提供をすることに集中したいと思います。