あなた出版社の実績第一号がようやく日の目を見ます。

以前もお伝えしたとおり、父親が書いている本をあなた出版社で発刊します。どちらかというと、この企画があったので、あなた出版社のサービスを作ったといっても過言ではありません。経緯は昨年10月のエントリー「売れる本作り+価値ある本作りのトータルサポートへ」で書いています。

以前も書きましたが吉村が編集、デザイン、制作を担当していて、父親も吉村の仕事振りがとても気に入っているらしく、息子のほうには何の音沙汰もありません(笑)

制作途中のカバーデザインとレイアウトです。

カバーA案

カバーB案

クリックすると冒頭部分のPDFをダウンロードできます。

今回の本では、この本の原稿すべてと、書ききれなかった情報や追加で寄せられるであろう情報を更新していくためにブログメディアも用意します(本当はこれもモックアップが揃ってからお知らせしたかったけど)。本自体もそのサイトを通じて宣伝し、Amazon で購入できるようになります。今回は上製本ですが、それでもあなた出版社のプレミアムサービスのオープン特価で150万円としました(本当は200万円ほどいただきたいです)。

萩原くんもあなた出版社ブログでよく書いていますが、自費出版の本は書店でほとんど並びません。それは大手版元だろうが零細版元だろうがたいした差はないと私は思います。ということは、Amazonで全国販売をして、その販売プラットフォームをウェブ上で作ってしまえば、あとは高いお金を出して(500万以上でしょう)有名版元のブランドの満足を買うか、リーズナブルな価格で納得いく本作り体験を買うのか、その違いをサービスの差として提供できるのではないかと考えました。

デジカルはこれまで売れる本作りをトータルにサポートするということで、編集以上にブックデザインに力をいれてきました。今こそこの技術と新たに立ち上げたメディア事業部によるウェブメディアの力を結集して、一般の方々にも十分に満足いく仕上がりの本を全国に向けて販売、宣伝することができると考えています。

このサービスはビジネス用に廉価に100万円以内で実現できるサービスも用意しています(掲載内容がちょっと古いです)が、本命はプレミアムのほうで、デジカルというか私自身が考える自費出版のサービスとは、資金も時間も余裕がある年配世代の方々を対象顧客と考えています。そういったところにこれからどんどん宣伝をしていきたいのですが、どうやったら上手く広められるんでしょうね。誰か知恵を授けて欲しいです。話がそれた。

それでどうしてそういった本作りそのものをサービスとしようと思ったのか、その背景には冒頭に説明したように父親の本を作るということがきっかけになったわけですが、その父親自身の話をちょっと書いておこうと思います。

今年71になる父ですが、まだ専門学校で機械工学の講師をしていています。今年でもう終わりといいながら3年ぐらいたっていますけど、兄弟全員遠方で所帯を持ってしまったので元気に働いてくれているのは安心なことなので、「今の時代、元気な老人にそういった働き口があるだけありがたいよ」と諭しています(笑)

そういった仕事をしながらも、今回は本も書いてと頭が下がるわけですが、定年になってから数年間、九州航空宇宙協会(旧西日本航空協会)というところで、2003年のライトフライヤー飛行100周年を記念して、そのライトフライヤーを日本で復元しようというプロジェクトに参加していました。

部品も完全手作りで復元という力の入れようで、当時はTVでもちょっと取り上げられていました。制作から飛行までの様子がここにまとめられていますが、当時も徹夜作業とかあちこち泊まりがけで飛行テストとか親父連中頑張るなぁと思ってみていました。

結局、実際の飛行でライトフライヤーは中破してしまい、そのあと修理をしてからは倉庫で保管していたようなのですが、今年になって青森の三沢航空科学館に展示されることが決まったそうです。

その話を聞いたときに、いいなぁと思いました。というのも、父自身は工業高校の機械科教諭として、まさに日本の高度経済成長以降の産業戦士を育てる仕事を経て、その技術を活かして趣味で好きだった飛行機を作って飛ばして、それでまたグライダーに乗りに行くという循環。

最近、中国・韓国に負けるなとかそういった安い商品のモノ作りでの対抗意識から日本ダメダメ論になっているように思うのですが、こういったまさに趣味、余暇を活かしたモノ作りできちんと収益も上がるような活動というものが、これからの日本人が目指すモノ作りなんじゃないかなぁと思いました(といったことをドラッガーが書いていた気もする)。

私はあなた出版社のサービスを通じて、余裕ある人、といっても父親も地方公務員だったし、今回もスポンサーが別にいますので単純にお金持ちという意味ではなく、モノ作りとしての本作りを考えている方々のお手伝いができればと思っています。

ちなみに、父はもともと趣味人で、若い頃から謡曲をずっとやっていて今は仕舞(踊り)の稽古にいっているらしく、他にもオーディオは大形スピーカーやアンプを自作したり、カメラも相当つぎ込んでいますが、先日母が、年取って趣味がない人は可哀想といっていたので(引きこもっている方も多いようです)、仕事以外はネットを見ているだけの若い人は、いまのうちから何か消費生産できるようなものをやっておくべきなのかもしれませんね。私も何か生産できる趣味を持とうと思いました。