編集部門のスタッフと、長期計画を検討するために面談の日々です。そしてその面談を通じて経営者としての力量不足を痛感する毎日です。

あ、弱気になって書いているわけではないです。随分以前から何度も読み返しているアメリカのベンチャー起業の教科書の一節を思い返していました。

その本には会社の成長ステージに合わせて、どういったことが起こるのか、それに対して何をなすべきなのか、といったことがこと細かく書いてあります。会社の育児書みたいなものですね。

各ステージでこういった兆候があれば黄信号という項目が書いてあるのですが、初期段階にわたって何度も書いてあること、それは「突然、本物の会社を経営しているような気になる」というもの。そうなんですね、何度かこの気持ちを味わいました。「よし、これだ」と。

しかし、しばらくすると新たな問題が発生し、そこに全力でことにあたって乗り越えて、そしてまたふと気付きます「はじめて、本物の会社を経営しているような気になる」と(笑)

いやいや、笑いごとではないですね。ここ数年この繰り返しをしているというのは、なかなか破れない壁が立ちはだかっている証左です。アメリカの教科書では最初のステップが年商100万ドル越えで、割とそのあたりを最初に軽くクリアしてしまったので、そこからの組織作りのステップに苦心しています。

もちろんどういった事業をしていて、どういう時代なのかという、「地の利」や「天の時」みたいなものも大いに影響しているとは思いますが、永続的に事業を発展させるよう、常に業態開発がきちんとできているのかという点では、まだまだ未熟なところがあるようです。

これもどんな経営書にも書いてあることですが、いかに文章化された事業方針(それもスタッフとともに作り上げたもの)が重要であるかをいま再確認しています。もいろんこれまでも面談は何度も繰り返し、文書を作成してきましたが、何をやるべきなのか、優先順位はどうなっているのか、行動規範はどうなっているのか、そういった点を割と一方的に通達するような形になっていて、結果的にスタッフにとってやるべきことが曖昧なままで(正確には伝えたつもりですが)、成果だけを厳しく問うような体制を続けていたように思います。

これまでは割と仕事があったのでそういった未熟なマネジメントでも、多少の「気合い」で乗り切っていたところもあったと思います。その点では、特に1年前のV字回復はなんら根本的な改善になっておらず、いま昨年のブログを読み返しても、本質突いてないなぁと読み返して恥ずかしいですね。なるほど会社経営というのは永続性が大切で、そのために長期的視座に立って短期的な縮みもリスクを計算して受け入れることが必要なのだと思います。

また、気合いだけでは絶対にこれ以上大きく発展させることは不可能であると悟り、実際一人でやれることの限界を痛感しているところです。

昨日今日と合わせて3人の社外の方と取材ということでディスカッションをさせていただきました。こちらも事業について語ることで、多少なりともこれまでに得た知見をお話できたとは思いますが、語ることで自分の考えをまとめられ、さらに得難い情報もいただき、こういった機会は事業を展開するうえで重要なことで本当にありがたいことです。

しかし、そういったせっかくの貴重な機会について話をブログにまとめて書く暇がなく(下書きはしているけど)、またじっくりと考える暇もなく、全社員とコミュニケーションをとると宣言しながらも、結局場当たり的な対応になっていて、最悪なことに受託案件の作業も誰かに任せることもできず担当し、ついついバタバタしておりましてというような言葉が口をついて出てきそうになるのをこらえてる状況です。

これではいかんですね。

ということで、社員を信頼して、もっともっと仕事を任せていかなければと考えています。その時に丸無げでは単なる放置ですから、役割、責任、優先順位を明確に定義し、仕事の結果を計測できるような社内システムをもった組織にしていきたいと思います。

立て続けに2回面談をしましたが、まだまだ編集社員と明確にビジョンの共有ができていないことを実感しています。明日からもまた愚直に仕事を進めながらも、面談、面談、面談。そして文章での理念、方針、規範の共有です。

そう、「人の和」がなによりも大切ですから。