3日連続で、イベントの配信や収録をします。まず昨晩はこちら。

事の経緯などは出演者のフジイさんのブログも参照してください。

8月19日 Eコマースについて喋ります(USTあり)|フジイユウジ::ドットネット

先週ブログでお伝えしたように、新生メディア事業部のサービスの一環として立ち上げようとしている配信、収録、販売サービスのテストも兼ねています。こういった機会は、いま自社のホームページに「ソーシャルメディア時代の編集プロダクション」という看板を掲げているので、その実践そしてサービス化のための貴重な機会だと考え貪欲に引き受けていく考えです。

フジイさんのブログにも書いてありますが、Twitterで盛り上がった勢いにのって開催するイベント配信だとしても、内輪受けのダラダラしたものを流さないという河野さんの指摘はまったくもってその通りだと思います。

普段、時間とお金をかけたTV番組ですら、ダラダラと見ているのに、そのどちらもかけていないものをわざわざ時間をとってみてくださるわけがない。なんと主催者の自己顕示欲を満たすがための番組の多いことでしょうか。誰も見てませんよ。

一方で自分たちの企画配信はこれだけ反響があるんだとばかりに「今日は何百人の方々に見ていただきました!」みたいな発言もよく見るのですが、それって本当に(真剣に)見ている人の数?と、マスメディアの視聴率追究とそれはどう違うのかという疑問を払拭することができません。視聴者は大いにこしたことはありませんが、単純に数が多ければいいわけでもないと、配信番組をやってみて実感しているところです。

なによりも、見てくださっている人に(たまたま見た人にも)、どれだけ親切な番組なのか、その視点を決して忘れることのないようにと。昨晩の配信を通じて考えました。気づいた点をまとめておきます。

1.そこに文脈はあるのか

どういった経緯でこの番組が配信されるに至ったのか、何が契機となっているのか、誰がどう発案してどのように議論が進んでいるのか、そういった文脈が、何を配信するかということ以前に大事だと感じました。ソーシャルメディアの番組は、テレビのように番組表があるわけではありません。いずれ認知されて定期番組になるように継続を意識することは大事だと思いますが、毎回それでは続かないと思います。単発の番組でも十分価値はあると思いますが、なぜ、いまこのような番組を配信しようとしているのか、それをきちんと説明しておくことが一番大事だと思います。

2.終了時間を決めているか

セミナーやイベントの開催に慣れている方にはごくごく当たり前のことですが、聞き手はいつ終わるともしれない話にはついていけません。また出演者がダラダラと話をしないようにするためにも、配信開始時間だけでなく、終了時間も明確にしておくことが大事だと思います。また、時間が決まれば、何をどれだけ話すのかも明確に絞らなければならないので、自ずと番組も編集されることになります。

3.映像ではなく音声が大事

映像配信なので、ついつい映像表現にこだわりがちです。以前にテレビ局が配信した番組もみました。テレビっぽいです。でもみんなテレビが見たいわけではないんですよね。これは対談に限ることではあるとは思いますが、映像表現を頑張るのではなく、音声の品質にこだわるべきだと思います。音の聞きにくいハイビジョンテレビを想像してみると容易に理解できると思います。音声のクリアな配信は、映像が鮮明でなくても臨場感が高まります。

4.おもてなし

音声が大事だとはいっても、映像が流れている以上画面の構成は大事だろうと思います。加えて、出演者にとっても事務所の片隅で一人話すならまだしも、雑然とした場所で話をしている様子をみたら、人はそれだけで「なんとなくやってるんだろうな」と感じると思います。また、出演者にとっても、これだけ準備されてるのだから、という気持ちを高める上でも場を作ることには意識をしたほうがいいと思いました。

あと、新調した機材や配信技術についてなどは、追って配信班の石川さんや榎本さんがブログに書くと思いますので、そちらもぜひ参照してもらいたいと思います。

taerui.com

ソーシャルセミナー事務局ブログ

対談番組のスタジオっぽく作ってみました

配信班の石川さんと榎本さん

新調した機材です

出演者スタジオ入り、打合せ中。

こんな感じで配信されました

さて、今夜は、弊社の企画でUstream配信のセミナー+出版企画の第2弾を実施します。昨日の経験を活かして、さらに品質を高めたいと思います。

今夜7時より。まだ席は若干残っています。Ustream配信もします。

第2回「集合知とアーキテクチャ」濱野智史

濱野智史1980年生まれ。株式会社日本技芸リサーチャー。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程修了。専門は情報社会論。著書に『アーキテクチャの生態系』(NTT出版)、『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇/設計篇』(東浩紀氏との共著、河出書房新社)など。