無事に移転を終えました。

土曜日に無事、新しい事務所に引っ越しを終え、昨日から新事務所にて業務スタートしました。移転を決めてこの方、様々ご声援頂き本当にありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

早速初日から新規取引先からブックデザインの件で打ち合わせと、ナベケンさんが打ち合わせの途中に立ち寄って差し入れにいらっしゃるなど(居なくてすみません)来客いただき、今後も千客万来な感じでいきたいです。

週末はさすがに疲労困憊でグッタリ。事務所の移転は3度目ですが、前回はまだ30代前半、やっぱり無理が利いていたんだなぁと思いましたね。

電話にネットそれにビジネスフォンの配線など、これがなかったら仕事にならない系の手配は、いつもお世話になっているキヤノン販売の木村さんに無理を聞いていただいてトリプル工事もバッチリ上手くいきました。特に電話は、震災後にNTTが多忙になっていて工事日程がどうなるか分からないと言われていたので、計画通りに実施できて本当によかったです。

しかし、インフラ系の仕事の方々ってすごいですね。それぞれ三々五々やってきてはテキパキと片付けて帰って行く様を見て清々しい気持ちになりました。自分も経営者として、そういったプロフェッショナルな人々が上手く活躍できるように、そして一緒に大きな仕事ができるように、しっかりと「場」を作らなければと思いました。

後片付けにもう少し時間が必要です

それで皆様にも改めて移転のご挨拶をしなければならないところですが、まだまだ前事務所の後片付けが残ってます。ここを今月末までに原状回復しなければなりません。で、事務所を3分の1の規模にしたということは、入りきらなかった什器や備品やパソコンなどを処分しなければならないわけで、この処分費を少しでも軽減すべくまだまだ古屋が頑張ってます。

特に創業来ずっと溜まる一方だった大量の本(頂いた見本ですね)は、この際思い切って売れた実績の本だけ残して全部処分してしまいました。本当に膨大な仕事をしてきたなと思いますが、また新しく積み上げようという思いと、今度はウェブメディアで真剣勝負だと思って断捨離してきました。

というような後片付けも続いている状態で案内状(たぶんメールで配信にします)などをお送りできるのはもう少しお時間を頂くことになりそうです(本当に送ることができるのか・・・)が、まずはウェブサイトを新規にオープンして新業態での営業を開始していく考えです。

片付けながら考えていること

最初、ガランとして薄汚れ散らかった事務所を見るとガックリくるのかなぁと思ってましたが、意外にも「よく頑張ってやってきたな」という思いのほうが先でした。強がりではなく悲壮感はないです。それよりもここを維持するためにと、頑張っていた余計な力が抜けてすっきりした感じのほうが強いかもしれません。

それに肩を落とす以前に、離職した人たちの上積みの人件費や引っ越し代金だけでなく、原状回復や大量の書籍や廃棄物の処理などが、どんどん積み上がって相当な出費となっていることや、引き継ぎや中止したプロジェクトの後始末、新しい企画提案などなどなどなど・・・、懸案事項が山積みで感傷に浸っているどころか、あまりの仕事量にツイッターすらできない有様です。

しかし、そうやってまた一時の勢いだけで流されていてはこれまでと同じなので、時間を見つけて一連のことで感じたこと考えたこと、反省点、改善点そして今後の展開などはまとめて、できれば書き綴っていこうと思っています。

やっぱり損得はとても大事

まず最初に思うことは、金銭的には相当な損をしましたが、実体験、もっと偉そうにいうと経営者としての経験や人生経験としては、普通では得難い体験をして、かなり得をしているなぁと思ってます。

物事を進める時もお金はかかるが、退くときも相当のお金がかかる。このことは文献で知ってはいても、いざそうなったときに人間なかなか平静で居られないものだということを実感できたこと、その1つだけでも個人的にはとてつもない機会をもらったと思っています。

必死に稼いだお金や、銀行の借金で構成している資金ですからね、それが目に見えてガンガン無くなっていく様子を、平静に見て居られる人なんてそんなにいないんだろうなと、黒字のB/Sの作り方も学びましたが、赤字になったときのB/Sがつるべ落としのように変わっていく様もまざまざと見せつけられています。

こういうことは失敗談としてはよく耳にしますが、失敗した人の話は、普通に聞いてもそりゃそうだろうなと参考になりませんし、耐えて踏ん張って成功した人の話は、局面ごとの修羅場をあれは大変だったとひとまとめに丸めてしまってさらに参考になりません(笑)

やはり自分で実体験としてどう取り込めていけるのかどうか、この極地を味わえただけ経営者として相当レベルアップできたと思っていて、上手く表現できませんが、新しい魔法を覚えたような感覚ですね。

このような経験を活かして、まずはしっかりと稼いで損失を補って余りある状況にします。いろいろとやりたいことはありますが、今後は決して金銭的にも損をしないこと、そして儲けを出すこと、そこから出直しです。

これは今直面している仕事に集中して、これまで以上にいい成果を出していくことで達成したいと思います。

頑張らないで変わろう

日本国中いろいろと厳しい情勢で、余談を許さないのは事務所を移転しても変わらないわけですが、少なくとも私自身は、自ら変化を求めて規模や場所を変えて動いたので、これから起こるであろう大きな社会変化にも、そして業態転換にも、果敢に取り組めるだろうと考えています。

震災後から「頑張ろう日本」という標語が踊ってますが、私自身あれをずっと違和感をもって見ていました。そして今も、やっぱり間違いだと考えています。以前もSEIHAの件でブログに書きましたが、プロジェクトが行き詰まっているときには、頑張らなくていいです。真剣に問題に向き合い対応するだけです。

だからあえて言うならば、頑張ろう日本ではなく、それはまずは「受け入れよう日本」、そして「変わろう日本」でしょうね。

そして日本のところをデジカルにしても自分の名前に置き換えても全く同じだろうと考えてます。というよりも、みんながそれぞれ変わらなかったら組織も国も変わらないですよね。

小さくともリーダーの役割を担った以上は、その部分で変化への切っ掛けを作り続けていって成果を出していく必要があると考えています。それも楽しく!

震災をきっかけに背中を押される形ではありましたが、私もそして会社もすでに変わる側に身を置いたつもりです。この先、どう変わっていけるのか、乞うご期待で、今後ともよろしくお願いします。