つい最近、Facebookで駆け出しの頃の上司に再会しました。

その方は二人目の上司です。実は一人目の上司と大変折り合いが悪く、堪え性のなかった自分は喧嘩してたった3ヶ月で異動させられてしまったのでした。 今でこそさらっと書けますが、当時はもう自分には将来がなくなったとガックリ(ペーペーの新人のくせに)。茫然自失と社長室を出て行った記憶が蘇ります。

でも、今ならよくわかりますが、実績も経験もないくせに偉そうなことをいう頭でっかちの単なるバカ者でした。異動させて引き続き育ててくれた当時の社長には本当に感謝していますし、散々社長のことをバカにしていましたけど、そのときの言葉が見事20年近い時を経て自分に戻ってきていると思います(笑)

話がそれました。

その上司はそんな頭でっかちな自分に自由に仕事をさせてくれただけでなく、普段自分なら行かないような店にあちこち飲みにつれていってくれては馬鹿話をしてくれ、当時まだ結婚してなかった家内も誘って一緒に飲みに行ったり、温泉旅行に連れて行ってくれたりもしました。でも、遊んでいるだけでなく仕事もヒットをいくつも出してて、それがまた自分の遊びにもなってて、部下として手伝っているだけで面白いという、今考えてもあの当時は本当に楽しかったです。

とにかくその方には、真面目しか取り柄のない堅物の自分に「遊び」が足りないことを教えてもらいましたし、それに留まらず、自分が後々創業するきっかけとなる仕事の出会いも作ってくれ、さらに、その上司自身のドラマチックな生き方を、まったく格好つけることなくそのまま見せてくれて、自分が独立する道を選択できたのも、その上司から生き方の幅みたいなものを教えてもらったことが根底あったためと思っています。とにかく、その後も何人か上司と出会いましたが、一番格好よく人間臭い人でした。

今は名実ともに部下を持つ身になりました。でも、本当に恥ずかしながら、そうやって上司にも教えてもらっていたにも関わらず、去年までその本質がまったく分かっていませんでした。言い訳になりますが、社長だからと社員に対してきちんとしなければという思いばかりが先行して、それ以前に人間同士の付き合いだということを忘れていたように思います。

要するにまた頭でっかちになっていました。

それに何処で気付いたかというと、昨年、震災後のショック状態の時に、園山さんの課長本を担当させてもらって、そこで人間臭い経営という言葉を突きつけられたとき、いったい自分はこの数年何をやっていたんだと思いしらされました。そりゃ会社も傾くはずです。

幸いなことに自分もまだ42なので、大企業でいえば部下との関係も、課長と社員みたいなものですか(実際、課長ぐらいには出世したいですね)。まぁこの際どういう肩書き関係でもいいですが、いずれにしてもまずは人として記憶に残る上司でありたいなと、20年ぐらいたってしみじみ思い出して貰えるようになりたいなと、ここ最近は思ってます。