私がです。

皆さんはジャンジャン買ってください。Nexsus7、iPad mini、KindleFire HDどれでもいいと思います。ホントどれが良いとかないですね。どれもいいと思います。今回は好きなものを買って絶対に損はないと思います。そして電子書籍だけじゃなく、音楽もよいと思いますし、映像見放題のhuluとか断然お薦めします。

でも私自身は買ってはいけない。少なくともみんなが楽しく「あれ買おう」「これ買ったよ」ツイートが落ちつくまでは絶対に買わないと誓いました。なぜ買わないか。いや、正確にはなぜ飛びつかないか。

本日、Amazonの電子書籍サービスが開始される模様です。模様ですなどと書いているのは、ずっとそれを待たされていて、いつになるのかもうすっかり待ちくたびれたためです。待ちくたびれましたが、だからもう期待もできないんだよというわけではなく、お陰で冷静な気持ちでこの日を迎えることができたと思っています。

電子出版を手がけようと思って創業してまもなく10年、本格的に事業に取り入れようと考えてはやくも3年立ちました。この間、新しいガジェットが出る度に飛びついて、新しいサービスが始まれば食いついてきました。

実際、つい最近のNexsus7もみんなが買っている横目で、実は1年ほど前に買ったGalaxy nexsusと大きさしか変わらないじゃないかと思っていました。そして当時から絶対にこれ売れると思うよとも。

何も自慢したいわけじゃなく、最近はそういったことを振り返っては、本当に愚かなことをしてきたとグッタリする気持ちでいました。だから何なんだと。そんなこと知ってて何か事業開発に役立ったのかと。お前が知るべきことはそこではないだろうと。

先日、SNSとの距離を取り直すと書きましたが、この間にスマホを使っていない人、スマホを持っているけどアプリをダウンロードしたことがない人、でも日々沢山の人と会ったり、メールを交わしたり、毎日を楽しく過ごしている人、黙々と仕事をしている人とお付き合いをしてきました。

そんな人たちの中から電子書籍を書いて貰った方もいますし、まだ存在すら知らない人もいますが、私がいま感じていることは、これからそういった方々がスマホやタブレットを恐らく購入するであろう1年後に、そして電子書籍の存在をしったときに、一体何を購読したいと思っているだろうか、その時までにどういったものを作って販売すればいいのだろうか、そういったことを考えなければならないなということです。1年後です。

ネットばかりみていると、オワタだの始まっただの、慌ただしいですが、まだ何も始まってませんよね。kobo騒動のときに騒いでいる人たちがいましたが、で結局koboはともかく電子出版業界は何か変わりましたか?私自身は既刊の販売が多少伸びたということでささやかに状況が変わりましたが、多くの読者、これから読者になる方々には何の変革も起きていませんよね。当たり前ですが端末がバカ売れしていないのですから。

端末フィーバーはいいことだと思います。もの凄く売れて欲しいです。何度も書きますがどの端末でも外れはないのでぜひこの機会に皆さん手にすべきです。そして、その間に自分はもっと深く未来の購読者のことについて考えたいと思います。

そのためにも今の執筆者の方々とこれからの出版について深く考えたいと思います。そういった意味で著者の方々は私にとっては大事なお客様です。そのお客様のために一体に何ができるのか?何をすべきなのか、今日は、これからはそういったことを1番に考え始める日になったと記しておきたいと思います。

いつものようにリンクしますが「読書をするのに本や雑誌のカタチはもう必要ない」を書いたのは3年前の2009年7月でした。当時から考えは殆ど変わっていません。ただ当時「一緒に考えて作ってくれる人がいないかな」なんて他力本願なことを書いていた自分がみっともなかったなと思っています。

デジカルでは、今日から正式に電子出版事業部を立ち上げたいと思います。現在当社の社員は全員ブックデザイン事業にシフトさせたのでこの新事業部の部員は誰もいません。これまで社外パートナーを探し続けていたので、皆さんの協力を得ながら当面はなんとか凌ぎたいと考えています。収益がでるまでは1人きりでやります。気持ちの切り替えと覚悟を示す意味で今日はこれから席替えして1人島をつくります。

12月頃には事業展開の道筋も見えてくると思われるので、そこで13年初頭にまずは1名社員を増やしたいと考えています。ブログエントリーのタイトルとは全く関係ない内容の結論ですが、そこはあえて地味にスタートしたい意向です。