本屋大賞に「海賊と呼ばれた男」が選ばれたとのこと。あれが選ばれないようだったら、書店員さんの目も節穴だなぁと思っていたのでひと安心です。

以前も書きましたが出光佐三は郷土の偉人で小学校で習いましたが、経営者としていったいどれほどすごい人だったのかは、本を読むまで知りませんでした。

出光佐三以外にも、最近知ったスゴい経営者は近鉄の中興の祖といわれている佐伯勇。彼は伊勢湾台風で流された線路の復旧工事の際、復旧ではなく復興だと号令をかけて、かねて懸案だった近鉄線のゲージ統一を一気に推し進めました。

今日の近鉄があるのは彼のこの決断があったからと言われていますが、その復興工事の時に懸命に働いたのが被災した社員の一団。それは前例にこだわらず被災家族対策をしろと、社員救済を一番に命じた佐伯勇の決断に感謝したためで、彼らが必死になって仕事で応えた結果、難工事を数日で完成させたという逸話が残っています。

日本の近代経営人には、本田宗一郎や松下幸之助だけでなく、世界レベルでズバ抜けた人がたくさんいたわけですが、この名経営者全員に共通していることは、社員の生活を一番に考えていたということですね。

終身雇用制という日本的経営が失敗したといわれていますが、果たして本当にそうなんだろうかと最近は疑問に感じています。もちろん終身雇用だから社員に甘いわけではなく、名経営者のほとんど全てが激烈苛烈な人たちで、社員の仕事の出来にもとても厳しかったのは言うまでもありません。

とにもかくにも、こういったことを学校で教えないから、現代日本がおかしくなっているのは間違いないと最近感じています。正すべき姿勢の見本を教わっていないのだから、正しようもないということで。

まぁ自分は評論家ではないのでブログにあれこれ書くのはそこまでにして、今日おいて他社がどうかはさておき、すくなくとも自社の経営方針は、終身雇用を前提に考えています。